素材:木材、段ボール、ペンキ、アクリル絵の具、粘土、針金
今日、人間は世界の他の種から独立して存在する特別な存在ではなく、他の種と絡み合って存在していることを示唆する問いが増えている。2003年、学者のダナ・ハラウェイは「重要な/著しい他者性 (significant otherness)」と「ともに生きる(to live with)」という概念を提唱した。
2019年からの新型コロナウイルス感染症により、移動できず孤立された日常を過ごす中で、 非人間たちとの生活の大切さに改めて目を向けるようになった。毎日一緒に寝ているぬいぐるみや、秋の道路の落ち葉、空にある形が不思議な雲、ときどき家の中に現れるクモなど。そういう非人間たちは、自分の生活のいたるところにたくさん存在しており、常にやり取りをしていることと、人間と同じような体格や精神を持ち、人間と世界を共有している仲間ではないかと思いました。
作品「Paradise」は、「他種とともに生きる」をテーマにした私自身の絵日記に基づき、人間としての私と非人間の記憶を3時間のライブ・パフォーマンスで表現した。作品では、日常生活の中で、非人間と種を超えてやり取りしている私の意識の一部を「パラダイス」と呼び、それを整理・再現した。
2022年10月25日、IAMASのギャラリーで3時間のライブ・パフォーマンスを行った。パフォーマンス 会場の端っこに、窓とドアが付いている白い部屋があり、部屋の外に粘土で作られた12の非人間オブ ジェクトか置かれている(冬瓜、観 葉植物、銀杏の葉、鴨、ぬいぐるみのきなこ、ぬいぐるみのけんちゃ ん、雲、 雨、シリウス星、朝日の光、バーチャルけんちゃん、蜘蛛の巣)。鑑賞者は、部屋のドアや窓 から中の様子を覗くことができる。パフォーマンスが始まると、作者が演じるパラダイス(主人公) は、「部屋から外に出て→粘土で作った非人間と出会い→部屋の中にそれを持ち込み→壁に絵日記を描 く」という一連の流れを、12回行った。
@IAMAS2023(Gifu, Japan)
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