素材:墨、和紙
本作は、岐阜県本巣市の根尾能郷集落で行ったフィールドワークで、動物を観察し、考えたことを記録したものである。現代社会では、「優れた動物」とされる人間と、「棚の上の商品」「家の中の伴侶」「レストランの高級料理」あるいは「殺される害獣」として扱われる他の動物たちとの間にギャップがあると考えられている。
そもそも、「動物」とは何なのだろう?
ギャップのある動物と人間はコミュニケーションはとれるのだろうか?
こういった問いを持ちながら、プロジェクトメンバーと、長靴を履いて森の中を歩き まわり、村の人たちと話したり、集落のはずれにある養殖場や牛舎を訪れたりした。
観察から、一つの問いが生まれた。森がもし考えることができるとしたら、森は何を「動物」として見ているのだろうか?能郷集落でのフィールドワークでは、森の中で 直接目で見えるもの、声だけ聞こえるもの、足跡や死骸から分かるもの、地元の人との会話から知るものなど、注意深く観察しないと見つけられない動物がたくさんいることに気づかされた。
近代化に伴い、人間の生活から徐々に遠ざかっている「見えない動物」を水墨画で記録した。
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